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2008.03.30 『追い風』
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ガムを無造作に口に放り込んで、
リスなどの小動物がその頬袋に生きる糧を詰め込むような仕草で
それこそアゴが外れるんじゃないかっていうぐらいに噛む。
歯磨きをした後だけど、
キシリトール配合だからいいんじゃないかな、
むしろ日々私にとって歯磨きとは
ただ歯を洗う動作であって、
虫歯を予防する考え方が微塵も感じられないのは
きっと幾つになってもお菓子をこよなく
愛しているせいだ。


レイトショーを見て、念願のムンク展にいったり、
大好きなお店のガトーショコラをほうばって、バカラバーで酒をすすったり
充実した週末は
一年を締めくくるには少し大袈裟で、
でも新しい季節を支度するにはちょうどいいぐらいにも感じらる。

左に笑う人の存在を肌に、
己自身、少しくすぐったい緩和と不慣れな緊張を感じながら
右目で知らない人がハンドルを握るその
疎外感すらを感じさせるような対向車のテールランプを追う。
魚の目がそうであるように、
同時に流れゆく左と右の世界を認識しながら
ただ前へ、前へと
アクセルを踏みしめるのだ。

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いつも、流れる景色につっ走る忍者を見てきたが
前を走るトラックと、後ろからついてくる乗用車の間で
血まみれのサンドイッチになりたくないのであれば
そんな妄想は封印してしまうことをおすすめする。
もっともこれは、自分が運転するようになって始めて知ったのだがね。
できるだけ前の方へ視線をやれ、って教習所でも習ったろ、
目線よりも意識はもっと先へ、はるか向こうへ
ええその通り。その通りです先生。



まるでそれを生き甲斐としているのに走らせてもらえない忍者は、
なんだか少し哀れにも思えてくるが、
目的地まで共に走る存在など今はまだ確認できなくて良い。

貴方が私が生み出した哀れな虚像であるとするならば、
同じ景色を共に走っている場合ではないだろう、
少なくとも前を走っていてくれ
そして
どこかでふと、立ち止まったときに
手招きしてくれるような
そんな存在で、私は在りたい。


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過去、自分の24年とちょびっとを振り返って、
ほら、彼女たちと過ごした学び舎や
歯をむきだしにして笑った日々や
あの人をとても泣かせてしまったことを平らげて、
わたしは、
25歳を前に少し、大人になってしまった気がした。
もっとも、歯磨きをした後に躊躇なくお菓子を食べる行為を
そう言ってるんじゃない、
それらを感傷的に受け止めてしまうことを言ってるんだ。

古いアルバムを開いて、幼い自分越しに見える若かりし両親の
愛に満ち溢れたシャッターチャンスのことを言ってる。
雨に散ってしまう桜の花びらをふいに杞憂してしまうことを言ってる。
そして長い年月を生きてゆく樹木の年輪のように
自分の身体に何層にも何層にも重なり合った道のりの、
そのことわりを、
ほんの少し撫ぜるように安らかに見つめる視線を
心からそう感じる。

そいつらを引き連れて
前へ 前へ
ああ、これはどこかで聞いたセリフだけど、
それこそクレヨンの箱を手に生まれたと思え



願わくば、背中を押して来てくれた手と手が
枯れ果ててしまいませんように
そしてそのたくさんの力たちが
今日も私に宿っていますように
まばたき一つ分の時間を
いつもたいせつにしていけますように

祈りを込めて眠ろうか。
目が覚めると新しい一週間がまたせわしなくはじまるよ。
置いてきぼりをくらう前に、
ほらいつものように何気なく日常を跨いでしまう前に
そのスニーカーの紐を少しきつく締めなおすような動作で
今日と言う日をまた刻む
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by aoi-ozasa | 2008-03-31 02:17 | Daily life
2008.03.25 『3つ以上のセンテンス』
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3月もあと数日間で過ぎ去り、
また新しい暦が人々の足を早めようという頃、
やっと増えすぎていた煙草の本数がへった。

深夜、母親の小言がうるさい。
メシクエ、フロハイレ、シゴトシロ
あんた、頭おかしいんじゃないの?
これはもう今までに100回は言われてきて、
過去、実際に本当に
私の頭がおかしかったのはその内2回ぐらいのもんだとは思うけど
じゃああとの98回はなんですかって、
そういうフリをしていたんだよ。
正常な頭で正常な結論を打ち出しながらも
気付かないふりをし続けてやったんだよ。
いっそ狂ってしまえばいいと思ってたよ何もかも
泣けてくるだろ、
バカなんだ

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わけのわからない商品を手にとって
連日の切り抜き作業に弱気んなって
いったいいつ終わるんだろうこれ、
魂をすりへらすような作業の合間にさ、
貴方のことを思い出したよ。


甘いものに手を伸ばして、煙にまみれて
言葉遊びに近い思想繰り返して
足を運んだ自販機の前で最後の100円玉を落としてさ
人の目が気になって、
たいそうにも己のモットーとやらにいきづいて
自販機の奥底まで転がった100円玉を見捨ててしまうような私が
貴方の目にはたいそう哀れにうつるに違いない。
尊大で冷徹な印象を与え、
傲慢で退屈に思えてしまうのかもしれないね。

でもそれで君がさ、
たった100円だったなんて言うなよ。
捨てたかった100円なんかないよ。
そんな風に言わしてしまってごめんよ。
大切な思い出までを奪ってしまうような
残酷で思いやりもクソもない女でごめんよ。
そしてそれを面と向かって言えなくて
本当に、ごめんよ。




どんなもんでも、それがたとえば薄汚れてて
古臭くて、カビの匂いがしてたんだとしても
ゆっくり時間をかけて見つめてきたそれらをさ、
サルが懐で優しく暖めてあげた二足のわらじのように
眉一つ動かさずに、唾と共に棄きすてれる様なにんげんには
なりたくもないけど、やっぱりなれやしない。

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友達を連れて、河川敷へ
渦を巻く夕陽が光惚と周辺を照らして
通り過ぎていく人たちのシルエットが視界を横切った。

何気ない顔で美しい一日の終わりを平らげていくその瞬間に
人生の実りの豊かさを感じる。
そんな風に物事を考えるのは私の人格で
シンボルであって人生ではない。
きらめきに目をやって、でたらめに歌を口ずさんで
目の前に拡がった海原をさ
石を投げつけられても渡るしかねぇよ
行ったりきたりを繰り返しても
大切なことを忘れたりしないよ。
心情に仕えて、本能に見え隠れするリベラルな主張を
恐れないで受け止めていけたら
そこから繋がる未来がたとえ軽く言われても
どうかこれで歩きたいんだ。
心は本当で居て
もう憎んでもいいから
そうやって歩んでほしいと思うんだ君にも


爽やかな風が吹いたら
また一歩前へ

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私にはあれもこれもあって
とても人に自慢できるものばかりじゃないが
いつか武装蜂起を試みて
頭に銃口を向けられたって構わない。
そんな風に思えないわけもないのに
ときどき立ち止まってしまう私は
失いたくないものだらけ。

つくづく
この存在は突然この世に現れたわけじゃないと気付かされる。
悪戯に歳くってきたわけじゃないんだなぁ
まるで制限のようにおそいかかるそれらを
疎ましく思ったりすることもあるよ。
信じるかどうかはこの際任せるよ、
これがうまく伝わるだろうか、君に。

ただ、ひとつ言わしてもらえるのなら
本当はなかったほうがよかっただなんて思ったことは、
一度だってない。
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by aoi-ozasa | 2008-03-25 22:47 | Daily life
2008.03.19 『プラットフォーム』
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昨日、途中で通り過ぎる駅のプラットフォームで人の声がした。
まるで何かを叫んでいるような声量だったけど
それが誰かに向けてのものではないことはすぐに分かった。

重い荷物を手に車両の端っこでもたれかかっていた私は、
その駅で扉が開くとすぐにその声の主を探したが
人の姿はどこにも見当たらなかった。
ただ、唄うように声だけがする。
虚しく響くそれは、壊れたラジオから流れる電車の実況のようなもので
プシュッと閉まる扉の音に一瞬のためらいを見せたが
すぐにまたとめどなく続けられた。
電車が動き出すと、それまで死角になっていた場所から
声の正体がその姿を現した。
留置所のガラス越しに向き合うような形で私たちは初対面し、
一瞬、
私は彼になり、彼は私になり

まるで数秒の抱擁を慈しむかのように互いは
何らかの情報を搾取し、すぐにそれを記憶に留めることを放棄して
お別れをする。

一度も交わるはずのない出会いが、
今、そこに確かにあったような気がした。

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明日は祝日で本当によかったな、と思う。
切実に金がないので、
明日は一日を使ってオークションでいらないものを全て売り切ろう。
なにせ先月の携帯代にはびっくりした。
見たこともない数字がそこにあったからね。

たくさん得たのなら、たくさん失うのは道理ってもんだろう。
それでも、真新しいものを選ぶのかい、
とあんたは言うが
これでも選別してるんだぜ、と言いたい。
合理的かつ円滑に、全てが運ぶわけじゃないのは分かるよ。
でもそれを代償って呼ぶんなら
目を背けることなんてしたって何にも変わらないわけでしょう。


久しぶりに履いたプーマのフェラーリモデル。
その全形を覆う真っ黒いレザーはどんな服装にも合わせやすいし
なにせソールのフィット具合って言ったら他に類を見ない。
大雨の今日は、汚れを洗い流す作業を天の恵みに任せよう。
靴の中で出来ている靴擦れが少しジンジンするけど
気がついたらきっと治ってる。

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あまりに弱気にハンドルを握っていたせいだろうか。
それとも通りすがりに見た知人に似た人に気をとられていたせいか。

帰り道、雨交じりの突然の強風に傘を持っていかれてしまった。
手からもぎとられた傘は、
翻弄されるかのようにくるくると弧を描いて旋回し、
それまで確かに同視化されていた煩わしい所有者の存在を
かき消して、静かに数メートル先の場所で止まった。
手から離れるとそれは、誰のものでもない、ただの傘でしかなくて
もう何の感情も浮かべられなかった。

唯一頭をよぎったのは、延々と電車の実況を繰り返す昨日の彼のことで
いったいいつまであれをやり続けるのか、
帰る場所はあるのか、などと答えのないことを考える。
終電時刻を周って、
駅員に無理やりあの場所から引き剥がされる姿を想像しては、
痛んでしまう心に激しく疑問を感じる。


飛ばされた傘は、
家まですぐだったのでそこに置き去りにしておいた。
特に意味はない。
ただそうしたかっただけだ。


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プラットフォームは、
抽象的な意味で上部のさまざまなものを
下から広く大きく支えるものを指す用語として転用されている。

元来平らに盛り上がったところを指し、
それが自然にできたものか人的にできたものかは問わないが、
どっしりとして上に乗ってもビクともしない、
確固たる、たくましい、頼りがいのある、信頼できる、
というイメージがあるそうだ。
さらに、人的に築き上げられたプラットフォームは、
それが築かれてはじめてその上部のものの構築に手をつけられる。
この印象から、抽象的な意味で

上部のものを下から支えるものを指す用語として転用されている。


明日は晴れるかな、
今日は明日の作業に備えてたくさん寝よう。
明後日も明々後日も飲みにいくことが考えられるしね。
電車の彼は、今日もきっとあそこで唄いつづけている。

ただいま電車が参りました。
みどりと、しろと、黒のコントラストが美しいこのフォルムは
谷町線、大日行き、
大日にゆくまで全て停車いたします。

その追撃を許すな、
私のプラットフォームよ、しっかりしてくれ。
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by aoi-ozasa | 2008-03-19 19:38 | Daily life
2008.03.15 『その5分前』
どようびは5時まで仕事です。
明日はイチがあって今週は休みがないので
仕事終わってから淀川の河川敷いきました。
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空に向かう木々はまだ枯れた姿のまんまでしたが、大地に芽吹く草たちは
本来の青を取り戻し、新しい季節を憂いていました。

ちょうど1年前の自分の日記を読んでみると、笑いがこみあげてきました。
淀川にいきたいと書いていましたしね、
結局行かなかったんだな、1年前は。
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見渡すと、マンション郡。
数々の生活がそこにはあって、そのどれもが3月の夕陽に照らされて
またひとつ、壁に色ヤケをつくる。
いつか朽ち果てるときまでの時間をゆっくりと堪能する。
誰かを見送って、また誰かと出会って
その動作もない所業が日常と言う名の惰性を含んでいても
それを選んでいく幸せを私は持ち得たいのです。
イッツオンリーマイタイム
煙草に火を点ける5分前に。
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何気ない日々の中に潜む声、音、風、
ささやかな至福の時間を過ごしました。
土曜日の学校はなんかちょっと寂れてて、
もう何年も前に同じような空間に居た自分に挨拶をしたい気分でした。

やぁ、ひとつだけいいかな。
あのね、思い切ってもいいよ。
もっともっと信じてみてもいい。
そう悪いことばかりでもないよ。
あんたが描いたような私ではないかもしれないけど
まぁそれは謝るわ。
でも描いてなかった部分に素晴らしさが溢れるような大人になってくれ。
あきれるほどの寒さより、暖かな居場所を愛せるようなこころを
誤解しないで、やめないで
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今日、友達がまた母親になる報告がありました。
お腹には七ヶ月の新しい命が宿る。
似合わない絵文字をたくさん使ったメールには
言いにくかったんだって照れ臭そうに笑ってる顔が浮かび、
父親は居ないんだとも言っていました。
その理由を深く聞く事は叶わなかったけど、本当にね
祝福できるよ今だったら。
その弱さも強さも、すげーなって思うよ。
今度会ったらね、お腹触らせてね。
あれはいい。本当にいいと思う。

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ええ、白状するけど、これはラブレターというものです。
仕事にでかける5分前に
柔らかな眠りに着く5分前に
目を閉じる5分前に
貴方が少しでも寂しくならないように
いつか自暴自棄になって世界を恨んだりすることのないように
どうか自分自身を誰よりも大切にしていけるように
春の、手紙です。

いつかまたここに来ましょう。子供も連れてさ。
皆でたらふく肉喰らいましょう。
だからこの場所でいつだって、あははって笑い合えることを
心の隅においていてくれ。
思い出してくれ。今そこに確かに感じる無限大の気持ちを。
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▲写真はエミリードール。マニラの工場でひとつひとつが人の手によって
造られた1点1点がオリジナルの魔よけのハンドメイドオーナメントです。
どこか懐かしいフォルムがすてきでしょ

それでは、皆様よい眠りを。
おやすみなさい。
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by aoi-ozasa | 2008-03-15 21:00 | Daily life
2008.03.13 『クラッシャーよ聞いてくれ』
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3末の訳あり商品を出品して一息。

たまりに溜まった膿を洗い流すかのような連続的なこの作業は
奇妙に痛快でありながら、骨の折れる作業だ。
ずっとなぜそうしてきたかは分からないが
これまでこの職場には音楽はなかった。
古いものを洗い流す作業を破竹の勢いでこなし、
それを売りさばいていくことにのみ歓びを感じる。
その最中に愛だの恋だの言ってる歌など、
まさか聞きたいとも思わなかったし、
かといって心臓鷲掴みのシャウトで地獄逝きのかつての愛聴版は
大事な商品にキズをつけかねない。

それにもちろん、なければないで、
せっかくいらしたお客様の足跡を聞き逃さないし
自前の鼻歌も悪くなかったし
電話番だってきちんとこなせた。

それはそれでよかったはずなのだ。

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最近春の陽気に身を任せて
ちょっと早起きして店までの道のりをグニャグニャ歩いている。
正しい食事を採らず、高カロリーなお菓子ばかりを食べているせいか
痩せはしないが、時々視界がグラついて
でもそれもそれでとても気持ちがよく。

このまま道路側にブッ倒れて偶然差し掛かったトラックに
クラッシュした右腕から滴る血液はどんな色をしているのだろーかぁー
通行人の着ている冴えないレンガ色のワンピースを見て
少なくともあいつのあれよかきっと真実の朱色だ。
などと寝ぼけた頭で考える。

相変わらず悪趣味だね、とまた複雑な顔して言われるだろ、
そうなんだよ、
優しい春の音色が好きなんですなんてすました顔で言っておきながら
血と肉とこの世の終わりのような
暴力的で退廃的なイメージを心は欲してるんだよ、
好きなんです。それが。いや、それも
あれも、これも、それも、あぁ

手に負えないぐらいたくさんのものが。


そしてそんな通勤には、やっぱりどうしても音楽が必要となって
ポケットにきれいに収まったそれを取り出しては
そのまま充電の許すかぎり、仕事中の音を許し続けている。
やはりライフイズミュージック。
もうなしじゃこんなのやってけない。

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駅前に死ぬほど鳩が集りはじめている。
近頃カラスも増えてきたと母親が言っていた。

今までどこに居たんだ?
それとも恐ろしい勢いで繁殖を?
その出現理由は全くの予想もつかないし考えるのも面倒だけど、
とにかく数というものは時に脅威で、
それまで非力な僅かな存在でしかなかった一個体は
数が集まればここぞとばかり
それこそ本領発揮といった具合に
爆発的な存在感と圧倒的な結集力を目の前に誇示する。
全く、したたかな奴等め、

でも、そんな私も小さな細胞の粒の集合体であるのだな
それを想像すると身の毛がよだつ思いになる。
昔、お気に入りのカフェで
己の死生観について友達がこう言った。

思うにね、
俺たちは天国も地獄もいかない。
意識の束縛から細胞レベルでバラバラになって、その中のいくつかは自然に還り、
土となり、水となり、風となり、俺たちを育んで
またその中の幾つかが、たくさんの人達の幾つかとくっついて
新しい生命体となる。
だから消えてなくなるなんてことはないし、
ましてや生まれ変わりもしない。
ただ、そうやってずっと命を紡いでいく 紡がれてゆく
そう考えるのはロマンチックだろ?

なるほど。
どうもありがとう。

たくさんの命が私という存在を立証しているのか。
それならそれで
どんな結束力を秘めているのか知らないが
どうか突然バラバラになったりしないでくれよ、
とにもかくにも土に還るその日までは、ね。と。

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しかし今週はお休みがない。
くそぅ、なんでイチは日曜日でも開催するんだ。
ルールなんだもん。まぁ仕方ないけども。
せっかく暖かくなったんだし
行きたいところがたくさんあるのに休みないし金もない。
たいくつだ。

唯一の救いは陳腐で幼稚ながら
爆発的な想像力。
この身体がたくさんの人の命の成れ果てを灯すというのなら
きっと色んな人の人生がこの中に生きてるんだ。
あれやこれやと興味がむくのにもうなづけるね。ウン。
色んなこと一緒に拡げていきましょう。
色んなもの一緒に見ましょうよ。
うんうん
そうかそうか、色々あるんだね。
春のイメージがきれいですね。



さぁインナースペースへ
意識もせずにトリップ
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by aoi-ozasa | 2008-03-13 23:12 | Daily life
2008.03.11 『フォーカル・プレーン・シャッター』
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わきめもふらで急ぎ行く 君の行衛(ゆくえ)はいずこぞや
琴花酒(ことはなざけ)のあるものを
とどまりたまえ旅人よ




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二つのイチを行き来するようになってから
平均して週に1回はイチへ行っていることとなる。
月に2回だったこの特別な日は
次第に身近なものとなり、毎度の行事のように
淡々とした1週間の1ページにしかすぎなくなった。

今日たまたま喫煙場で隣り合わせになった同業者の方に
我々、隙間産業と呼ばれる中古小売業の今後の行く末を担い、
これからの抱負を尋ねられて、
この秋を境にこの仕事を去ろうと考えていた私は
少し返答に行き詰ってしまった。

次のイチまで少し時間がありそうだったので
相手を探るかのように、少しずつ今の本音を語ると
はじめ怪訝そうに耳を傾けていた顔つきが
少しずつ解けていったのが分かった。
話がすぼんでいくにつれ、なんとなく場の空気が下がってしまったので
私は意味もなく、はは。と笑ってみせた。
はは。ものすごく前向きなんですよ。
するとその人もそれに答えるかのように、はは。と笑ってくれた。
でも私はその笑顔の中に寂しげな陰りを見つけて、
人は自分を映す鏡だという
誰もが知っている当たり前の言葉に心を奪われる。

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日が暮れてしまう前に競りが終わり、
お父さんに迎えにきてもらう。
帰りの車の中で、流れる景色を眺めていた。
車内では、カントリーな曲が延々と流れていて
「ボブディランだ」とお父さんが教えてくれた。
人、車、マンション、信号機、
そのどれもが3月の夕陽にほんのり彩られて
まるで誰かの夢の中に居るような心地だった。

このまま、誰も知らない街へ
着のみ、着のままどこか遠くの世界へ

流れる景色を見てふとそんなことを思ってしまうのは何故だろう。
郵便ポスト、ガードレール、マンホールに、誰かの落書き
そんなありふれた日常的な風景と同化して
形ばかりの自分をいっそ失くしてしまいたい
そんな感情は
一体どこからやってきて、どこへ消えていくんだろうか。

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車から片手をだらしなく垂らした状態で
何枚かシャッターを切った。
写真のことなど何一つ知らないが、最近写真を撮るのが日課になっている。
もちろん切り取られたそれらが
下手の物好きでしかないのはよく分かっているし、
一体この行為が何を生み出すのかさえ全く見当がつかない。
けれどこの短絡的な作業は
真っさらなシーツに1本ずつ皺を作っていくかのように
様々なことを教えてくれる気がする。


シャッターボタンを押すことにも飽きてぼんやり風景を追いながら
気がつくと爪を噛んでいる自分が居た。
お父さんに、「お前、大丈夫か?」と聞かれ
その質問の意図も分からないまま、うん。と答える。

なぜか今にも流れ出してしまいそうな涙が、
体中に微熱を灯すかのようだ。

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取り立てて何一つ無理していることもないくせに
時々自分を襲うこの苛立たしい虚無感を、
未だ好きにはなれない。
それも自分なんだ、っていっそ感情に身を委ねたら
それを境に何もかもを失ってしまいそうな気がして
足がすくんでしまうんだ。
そしてそのままもう二度とどこへも行けない気がしてしまう。

でも
同じように、それ以上に苦しみや弱さを抱えながら
前を進んでゆく人たちが見える。
歓びを、幸せを信じて向き合う強い意志を感じる。
大丈夫、靴紐結んでる間に消えてしまったりしやしないから、
疲れてんなら少しだけ休めばいい。
うんと休んで、その代わりそれが結べたら
ダッシュで駆けだそう。

そして、こんな日もある、こんな日もあるさ。
そんな言葉を唱えてみよう。
そしたら明日はきっと晴れやかな気分で朝を迎える。
悩んでいた今日を嘘みたいにして笑ってる自分をたやすく想像できるだろ。
無論、そんなのあんただけじゃない。
そればかりか日々は誰の上にもちゃんと平等に周っている。

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そう、あんな日もある、あんな日もあるさ。
幼い子供が好きな言葉をおまじない代わりにするように
それを唱えては
どこにでもありそうなそんな歌詞にすら救いを見出せるよ。
思い切って大きな声で口に出してみたりしたら
なおいいだろう。
ちょっと周りに変人扱いされて、必死に誤解を解いてみるのも楽しそうだ。
明日はどんな日かな、
巡り続ける日々の行間に身を寄せ合いながら
同じようにして自らを乗り越えてゆく友の姿を描いては
ほんの少しの勇気をもらう。
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by aoi-ozasa | 2008-03-11 21:25 | Daily life
2008.03.10 『青い光』
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太陽がぐるりと周って
日めくりカレンダーがベリッと剥がれ落ちて
どこかで誰かが大きなあくびをかまして
今日ははじまる。

今から約1680秒前、私はこの部屋で穏やかな休日を過ごし
世界なんて、バラ色と思えばそうなんだぜ、
などとどこかで聞いたような格言に1人で悪態ついたりしながら、
夕方まで寝ていたくせに
9時ごろから意味のない睡眠を4時間ほどとった。
確かに夢を見た手ごたえがあったにも関わらず
それをまったく記憶していない。
それはスーパーのレジに行くまで、散々カゴに商品を詰め込んだ挙げ句、
支払う手前で財布を忘れてしまうドンくさいおばちゃんのようなものか。
いや、それとこれとはまた違う。
私は決してそんなおばちゃんにはならないし、
私の見る夢はそんな間抜けじゃない。

ああ、ひとときのさようなら。幸せに満ちあふれた素敵な週末よ。

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少年達が店に来る。
しかし間違っても彼らをジャンル分けしてはいけない。
強いて言うなら中卒/肉体労働にいそしむ真面目な若い衆たちとでも称しようか、
なにせ少年などと言ったら泣きそうな顔でキレてきそうなお年頃。結構こわいよ。
奴ら、いつも5,6人でくる。
こう言っちゃなんだが、見飽きた顔ぶれだ。
たまには違うメンツを連れて来いよ、
と心配するのは若くして抱く老婆心か、
はたまたただのお節介か。
とにかく何も買わないくせに、長時間居座るのはやめてくれ。

その中の1人が今日とつぜん、
「俺、18歳になったら煙草をやめる」
と言い出した。
全日本煙草協会もびっくり、まさかの発言。

かく言う私も、学生の時分、
幽々白書の飛影のセリフを延々とテープに吹き込んでいた過去を持つ友達と
"20歳になったら煙草をやめる”
という訳の分からない親泣かせな約束をしていたものだが
もちろんそんなの互いに1日と続かなかった。
それでそんなアグレッシブな発言をする少年に
「絶対ムリだよ。」(無理に決まってんだろ、バーカ)
と言う。
すると、驚いたことに目を輝かせて
「じゃあ何か賭けよう」と提案してくるではないか。
君、人に何か物を提案するときは、自分の交渉条件をまず先に述べるべきだよ、
とは言わずに
菩薩のような声色で「何賭けるの?」と尋ねる。
うん。悪くない。至極冷静な対処だ。
恐らくどこかのHOWTO本にもこう書いてある。
目には目を、歯には歯を
質問には質問で返せ。

彼はその質問を頭で反すうして何やら照れた様子。何が恥ずかしいのだ。
急かすことなく、
君がもうすぐ吸えなくなる(らしい)煙草に火を点けて一息待ってやろう。

すると突然、閃いたのか、
身を乗り出して「俺、何賭けるか決めた。」
後ろの少年は早く帰りたそうにもう明日のあくびを始めている。
何?
目と目が今、間違いなく合ったな。
そしてヤツは間髪いれずにこう答えた。
「俺の、
彼女。」



言葉も、出ねぇ。


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さて、私は家に帰ろう。
今日は月曜日だから、あと5日間も仕事があるのかー。
長いなぁ。
帰り道は週明けということもあってか人が多い気がする。
肉眼で見ればそうでもないのに、ファインダーを通せば世界はギラギラして見えた。
齋藤和義の「青い光」を聴く。
そう
カーテンを変えるくらいのカンジで
イメージは幸せ、幸せのイメージ。

ふと見上げたら月の代わりといった具合に星が幾つか見えた。
明日も同じ位置に見えるだろうこれらは
恐らく私の寿命が尽きても、ほぼ大差なく同じ位置を保つことだろう。
時は見え方次第、人生は歩み方次第。
たとえ星がその見え方を変える気がなくっても
わたしたちはそれをどんな風にも見れる目線を幾つも持っている。
キラキラと美しいイメージ、理想的なサイドストーリー、
そしてそこにはきっと才能も努力も関係ない。
必要なのは、それを見たいっていう強い気持ちだ。

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今日はあまりの発言に驚いて答えてやれなかったが
私のほうでも何か答えを用意すべきだったな、と思い返す。
ヤツがもし本当に煙草をやめれたのなら
もしもそんな奇跡が起こったならさ、
そしたら私も煙草をやめてやろう。
自販機で明日の煙草のボタンを迷いなく押す指を見つめながら
そんなことをふと思った月曜の帰り道。
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by aoi-ozasa | 2008-03-10 21:17 | Daily life
2008.03.08 『招待しますよ。』
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5時に終わるはずの仕事が、
5時に来た客によって予定変更される。
彼は運が悪い。
もう1時間早く来ていたら、何割か増しになったかもしれない買取価格は
私の機嫌によって少しいつもより厳しめにつけておいた。
この業界は、時間がルーズと見せかけて
じつはとっても重要なんだ。
それに閉店間際はくさまし(質屋の天敵)の発生率が高いから
より一層質屋たちの目は厳しく光る。
このタイミングの悪い彼は恐らく、ひっぱってひっぱってひっぱった挙げ句、
婚期を逃すタイプの男だろう。
気がついたら初恋の相手すら2児の母親だ。

ごめんね。
はした金しか渡せないが、
でもその金で小さな幸せを見つけてください。

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突然の不意打ちに意表をつかれ、くたびれながらも外に出てみると
おや、まだ少し明るい。
そうか、今日は春日だとカタヒラ君が言っていたものな。
母親は同窓会に行って、晩御飯はないし、
家に帰るにはまだ少し早い気もするから
家路の間をジグザグに、以前は誰かのものだった自転車を漕いで
そうだね、少し気の向くままに散歩でもしようか。


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そしてまた鶴見緑地。
しまった、i-podが家に置きっぱなしだ。
こんなとき、衝動的に生きている自分が少し嫌になる。
でもいい。頭の中では20GBとは言えないが
好きな歌はちゃんと流すことができるから。
なんなら歌ってみせようか、
歌詞だって完璧に頭に入ってる。
貴方だってきっと好きな曲だよ。


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今日は気温が暖かいせいもあってか、
少し人が多い気がする。
とは言ってもこの広大な土地でのその割合は
真っ白なキャンバスの海に、
指先一握りの絵の具を投げつけたぐらいのものだ。

子供達が遊ぶアスレチックを横切って
ふいに電話がしたくなって都合も問わずにボタンを押してしまう。
ひたすら続く遊歩道を歩きながら
私が経験している今の周りの風景を逐一伝える。
もちろん、そんなこと電話越しに伝えられたって
仕方ないのは分かってるんだけども
おかまいなしに自分の話を続ける。
そんなおしゃべりを続けて、目に留まったベンチに寝転びながら
一服した。

まだ緑を茂らせる力を持たない枝の隙間から、
オレンジとピンクと水色のグラデーションが見える。
そして次第に水色が少なくなってゆく。
やはりi-podなど持ってこなくてよかった。

この場所に音楽などなくて良い。
あんまりにも良いBGMは時にその感度を鈍らせてしまう。
だって他愛無い会話の合間に潜む、水溶性のある言葉たちが
本当に素敵だから。

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気がつくと、夜の帳が辺りを飲み込んで
周りで聴こえていた子供達の声はいつの間にか消えていた。
そろそろ帰るよ。
と電話を切って自転車のペダルにまた足をかける。

帰りの道中、何も考えずにカメラのシャッターを切る。
たった一人しか居ない土曜日でも
これらは数々の思い出の欠片として、
いま私に蓄積されていっているのだろう。
高濃度感知、高速処理、
データベースに一つの漏れも許すな

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24年間この街を出たことがない私は
その短い間にも、街が変わっていく様を見てきた。
そしてそんな代名詞ともなるコンビニに寄って、晩御飯のお菓子をたんまり買う。
曲がり角で山吉軒と出会って少し後悔。
お菓子がたくさん入ったビニール袋が少し重いね。


ああ、そのどれもこれもがわたしの住む街。
わたしの育った街。
オカンは市長になれなかったが、なんなら私が立候補してやろうかしら、
またありもしない妄想が膨らんだ。

春を予感するそよ風を切って、家に帰ろう。
本当に何もない街だけどね、
きっといつか招待しますよ。
治安はよくないけどね、本当はそう悪いとこだらけでもないんだ。
京都と市内を挟む、その中間距離。住宅と居酒屋だらけの街。
辺りかまわず写真を撮って一杯やってさ、
また下手の長談義って言われちゃうかな。

なんてことない、本当になんてことない街だけどね
この風景たちは恐らく物凄い大きさと
暖かさに満ち溢れている。
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by aoi-ozasa | 2008-03-08 19:52 | Daily life
2008.03.06 『先立つもの』
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インターフォンのチャイムも鳴らさぬまま、
父が階段を上がってくる音がする。
母は出て行った父が家の鍵を未だに所有していることを
よく思ってはいないようであるが、
私は別にいいんじゃない、
と思う。
いちいち玄関の扉を開けに行く方がよっぽど面倒くさいし、
母だってストーブの石油の運搬を頼むときに
いちいち鍵を開けについていかないといけないなんて
馬鹿馬鹿しいと思うはずだ。

今日はイチだから父は私の運転手、
無事、市場へ送り届けたら、一本の電話でまた迎えに来る。
買い手、さまさまというやつだ。
私は昨日の夜更かしのせいで
4時間ほどしか睡眠が取れていないが、
この日、何やら頭は意外とスッキリしている。
車のウィンドウからの日差しが
より一層神経を過敏に目覚めさせる。

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すりガラスになった重たい引き戸を開ける。
乳母車を引くようなガラガラという音の感触が手に残って
独特の空気感が身体に纏わりつく。
張り巡らされた罠と言えばいいんだろうか、
仲介者なしには入れないここの空間は、
それがいくら若かりし頃にお世話になったじじいの孫であろうとも、
新参者を優しく受け入れるようには出来ていない。
ましてやここは女の来る場所じゃねーよ、と
風俗街を立ち去るときのような雰囲気を出して親爺達の背中は語る。
それでも私はもうここでの自分の席を確保したし、
場格だって一応しっかり頭に入ってる。
あと何か足りないとするならば、コミュニケーションの問題だよ。
そうは思わないかね、同じ目をした買い手諸君。
わたしと、
貴方がた紳士との間に
足りないものがあるとするのならば。


少し早く着いたような気がしたけど、
中は既に数人が競りの商品を物色していた。
獲物を獲る瞬間の鷹のような目線が一斉にこちらへと向けられる。
数にして8匹程度。8羽程度か。
じゃあ、あたしは鷹達に食べられる兎ってとこだろうか。
いや、違うな。せめてとんびぐらいには思ってもらわないと。
知らない人が遠めで見たら、きっと見分けられないはずだ。
届かないながらにも、同じような志は持ち得ているつもりだからね。
商品を見据えていくときの
十分に研ぎ澄まされた殺気にも似たこの衝動を、
私に与えたのは間違いなく貴方がたであると言える。
靴を脱いでスリッパに履き替えたらにっこり笑って
おはようございます。

あと数回しかないかと思うと、
自然と声にも力が入るってもんだろ。


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時々、市場ではそれこそ店の経営どうこう、売り上げどうこうを
吹き飛ばすような商品が現れる。
今日、それに出会えたのはラッキーだった。
いや、今までもよく目にはしていたけど
いつでも買えるでしょ、って手を伸ばせずに居た
シャープのアクオス20インチ。店頭展示未使用品。
しかも2007年製、地デジ完備。
もちろん私物として買わない手はない。
気になるお値段は想像にお任せする。
まさか、こんな場所で
同業者の粗利を暴露するのはさすがに気が引けるからね。

早速テレビを点けると、フェイスオフがやっていた。
既に若く見えてしまうジョン・トラボルタとニコラス・ケイジ
まるでオセロの二面性のような人間の人生を交差させ
そこから生まれる何かをハイスピードで描いたような映画。
だったように記憶している。

最近、気に入ってよく口にしているけど
人間は相手なしには、対話が出来ず、恋愛だって成り立たないように
成長も衰退も己1人の視野ではその変化に気付くことは至難の技だ。
たった一人で真冬の荒野を歩いているのでは
例えモンクレールのダウンジャケットに身を包んでいたとしても
己を振り返ることすらままならない。

一年間、どっぷり浸かった小売業の世界。
したたかで怪しげな同職種の人たちとの関わり。
その瞬間、瞬間の張り詰めた空気。そしてこの意志。
いずれこの場所を遠く離れる日が来たとしても
どこをとっても誇らしげに話すことができるよ。
それらのストーリーたちはいつまでも輝きを失うことなく
そのどれもが明日へ続く昨日のように
私の中で強く、
芽吹いているのだ。
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by aoi-ozasa | 2008-03-06 23:36 | Daily life
2008.03.05 『ごきげんよう。』
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おはようの声がなってないと父に叱咤を受ける毎日。
確かに私の朝の声は驚くほど小さいし、
実際には、おは…ぐらいまでしか発音していない。
たった4文字なのに声が途切れてしまうことしばしば。
恐らくそんなとき、体はまだ眠りの中だ。
普段、注意されるぐらい大きな声で話しているにも関わらず、
寝起き一発目の発声量は、生まれたての赤ん坊のそれにも届かない。

ぬるい睡眠に体が萎縮してしまっているのを覚える。
視覚から飛ばされる曖昧な情報に脳がシナプスを伝達できずに居るのを感じる。
ゆっくり、ゆっくりと少しずつ新しい日々が型どられてゆく。

だからそんなに急かさないで、
もう数分もすればすぐに新しい日々を始めることが出来るからさ
少しだけ待ってて。

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火曜日は、学生時代からの親友が、
その恋人を紹介がてら、大阪へ遊びにきてくれた。
私は彼女の大切な人の前でうまく素敵な友人を演出できるかしら、
などと頭を悩ませていたのだけど
会った瞬間の彼氏の優しげな笑顔が、友達から聞いていたそのもので
そんな緊張感はあっという間に吹き飛んだ。


春も間近で、購買欲がものすごく掻きたてられたものだから
思わず初対面でもひるむぐらい散在してしまった。
はっきり言って破産だ。
でもマルジェラで社交辞令が上手な店員さんもおすすめの可愛い服が買えたので
早くそれを着ておでかけをしたい。
太ったら着れなくなるようなデザインなので
今からもちょっとお菓子は控えなきゃ。

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友達カップルと街を歩く中、
私は一歩前を歩く。
よく歩き慣れた道を案内するかのように得意げに、
ときどき、堂々と手を繋ぐ彼女らを振り返っては
見つめあってお喋りをする恋人同士の2人の間に
確かな愛というようなものを見つけて
ほんのりこっちまで幸せな気分だ。

そんなほのぼのした3人を吹き抜けていくかのように
ふいに強い風が吹いて、
春一番。
その継ぎ目も分からないまま
知らぬ間に、冬は春へと溶け込んでゆく。

冷え切った大地に花を芽吹かせるのは、地球とて至難の技だろう。
始まりと終わりを意味する自然は、全ての力を振り絞るかのように、
その姿を革命の風として、
私たちにさようならとおはようを同時に告げていた。



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3月の朝はまだ冷たく、
日中そのほとんどを室内で過ごす私は、
太陽の目覚めを受けることが出来なくて、
未だ長い眠りから覚めることが出来ないかのように
眠れない夜を過ごしている。

静かに音楽を聴いて、最近撮りためている写真を眺めたりして
朝日が昇るぎりぎりの瞬間に
それを拝むことなく冷たい毛布に身を任せる。

今年で25歳だなぁ、
ぼんやり生きてきた年齢を振り返りながら
共に生きてきた人たちの足取りを思う。
愛読書を枕元に重ねて、
瞼の先っちょで以前よりも少し早くなった日の出を感じる。
次第に布団が体温を包んでくてるのを感じたら、
時には自信を持って強く愛しい人の名前を呼ぶかのように、
いつもよりもほんの少し短く過ごした冬にさようならをしよう。
また私を育ててきてくれた日々にお礼をしなきゃな。
忙しい毎日で大切なことを忘れてしまうことがないように、
これからを紡いでゆく合言葉のようにして
ごきげんよう。また会おうね。


さて、新しい季節はどんな風に我々をいざなってくれるだろうか。
時には冷たく足取りを重くすることもあるだろうか。
私はそれに答えることが出来るんだろうか。

きっと、出来るさ。

頭の中で響く声は、たくさんの人たちの声が重なって、私を励ましている。
皆、笑ってる。
少しぐらい己を過大評価することも時には必要だろう。
そんな風に自分を築き上げていければいい
これまでのように、そしてこれからも変わらずに。
鋭い視線を忘れることなかれ。
愛ある心を失うことなかれ。
そんな願いを託しながらゆるやかに眠りにつく。
春の気配を傍で感じ、
そしてこの先どこまでも繋がっていく人生を、少し身震いしながらも
遠く、憂う。
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by aoi-ozasa | 2008-03-06 05:00 | Daily life
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25歳なりました。日記は長いです。覚悟してください。
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