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2007.12.18 『赤のウッドペッカー』
その日は朝から頭痛がした。
ときどき日をおいてやってくるこの頭痛は、死を匂わせるような気もするし
ただの習慣病のような気もする。
そんなことはどちらでもいいが、とりあえず携帯から流れてくるアナウンスには本当にうんざりした。
「現在こちらのお電話のご利用はできません」
確かそんな内容で、若いとも年老いているとも言えない様な
グッとくるようでいて気が付けばすぐに忘れてしまいそうな女性の声が繰り返す。
何度か同じ作業を繰り返し、自分の携帯が止められているんだということに
気付くにはだいたい2、3分かかった。
終いに家から彼氏に電話して「なぜか携帯からかけれない」とアナウンスの旨を説明すると
「止められてるんだろうよそれは」
とあっさり言われる始末。
間違えてかかっても支障のない友人を選んでかけてみていた自分が馬鹿みたいだ。

私は携帯を止められたことがない。

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かつて恋人であった男性が幾度か携帯を止められるというエピソードを話してくれたことがある。
それは私にとってはじめての彼氏だったのだけど、
どうやら彼は数かぎりなくうっかりさんだったようだ。
そういうところがすごく好きだった気もするし、全然好きになれなかった気もする。
まぁそんなことはどうでもいいが、とにかくその時に私は
自分が未経験の"携帯を止められる"という行為に酷く滑稽さを感じたものだ。
物理的な要因が元で自らの生活の一部が余儀なく変更される。
あるルールや法則に基づいていとも簡単に遮断される。
その原因は単純明快とってもあきらかで
なんだか、それはとても惨めな感じだ。
しかし、これはどういうことだろう。
はて?先月の携帯料金は未納だったかしら?
どこにも繋がらない携帯を眺めながら、何度か頭の中で記憶を辿る。
まさか。信じられない。
どれだけ高い請求が来ても死に物狂いで払い続けてきた請求を私が忘れるなんて・・
とうとう頭もヤキが回ったらしい。
仕方がないので携帯ショップで支払いを済ます。
そのとき少し店員さんに態度が悪かったのは
間違いなく八つ当たりだけど、どうかイライラの連鎖が店員さんで止まることを願う。
まいったね。
いや、まいってるのはあちらさんだ。
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最近、ジオン公国章が入ったシャア専用の赤い携帯が店頭に並んでいるのを知った。
友達がスヌーピーとかキティちゃんもあるんだよ、と教えてくれた。
ザクヘッドが充電器のやつだ。
一瞬、欲しい!と思いつつ、頭の中でいや、やめとけ!お嫁にいけないよ!とも声がする。
そして瞬時に自分の携帯が恥ずかしい。
いったいいつのやつなのか、と思うくらいにブ厚いパカパカ。
ずっとパカパカを拒否し続けてきた私がVodafoneに替える際はこんなもんしかなかった。
赤いのだって好きで選んだわけじゃないんだ。だってシャアでもないし。
妥協案の末、まだこれがマシだと思えただけなんだ・・
東京に行った時に、待ち合わせをしていた友達に「赤い携帯?」
と言われたときはじつはものすごく恥ずかしかった。
ごくさりげなく「そうです」と答えた(つもり)声が裏返らなかっただけマシだ。
待ち合わせの目印代わりになるなんてなんて洒落たやつだよ…!

しかし最近の携帯は高い。
女子高生でもあるまいし、別に最新のものを追い求める気はないのに
どれもこれもほんと高い。
写真機能であったり、音楽機能だったりワンセグとかいうやつだったり
とにかく色んな機能が付属してあのサイズ!という功績は認めるけど
もうそんな機能いらないからもっと安くしてほしい・・
もう着信メロディーも単音のコール音のだけでいいし、
はっきり言って写メールも要らなければ、どうせ電話帳も埋まったことがないので
(800件も登録したところで果たして覚えられるのか・・)
どうか、どうかシンプルで安い電話機が欲しい。
今回携帯が止められたことで、一瞬携帯自体持つことをやめようかとすら思ったけど
思い起こせば高校の時、なぜか1年くらいそれをして
つかまらないと親や友達には怒られるわ、家電に変な人からもかかってくるようになったのを思い出して
さすがにやめときました。
よう考えたら家電じゃ仕事もできねーわ。
当分これしかないね。

おしまい。
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by aoi-ozasa | 2007-12-19 02:35 | Daily life
2007.12.08 『俺が地球ならお前はいらんわ』
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「おまえもっと買わなあかんやろ」
とセンボンに言われる。
センボンは市に来るどっかのじじいだ。たぶん余命20年は切っているだろう。
いや、このじじいならあと30年くらいは現役で居るつもりなのかもしれない。
薄汚く曇った眼鏡の奥では、獲物を狙う獰猛な野生動物の様な目玉がギョロリと光る。
センボンというのはニックネームで、市にはそれぞれ買いのネームがある。
ネコさん、マルショー、みっちゃん、Kなんていう風に
それぞれの店名にちなんだものなのか、はたまた単にホックがきまぐれで付けた愛称なのか
とにかく私も含めここでは皆そういうヘンテコな名前で呼ばれている。

様々な呼び名と買値が飛び交う中に
惹かれもしないし、さばける自信もない出品物
ときどきそういうのが流れ込んでくる。
ただしホックの値段はべらぼうに安いので損するってことはないだろう。
しかし、とにかく面倒くさいのだ。
店の在庫はそのほとんどを私が管理しているのだから
買う権限も売る手間も私にあって、ひとつ物を仕入れるにも躊躇が必要だ。
だいたい売りさばくのに労力と手間がかかることを考えれば、
よほどの高利益でなければ手を出さないのが賢明だと思われる。
もちろん品数という点においては買っておくのも悪くない。
だから悩んでるんだよ。たった数秒の間にもこうして。
なのにまるで王様のような顔をしてセンボンが言う。
おまえ、もっと買わなあかんやろ
センボンさん、ならアンタが買ってくださいよ。

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母はリユースという言葉が好きなようだ。
言葉のなかによく出てくるので少なくとも嫌いではないんだと思う。
この業界では必要なことだというのもよく分かる。
でもときどき酷く疲れる。
他人の手垢が付いた物に触れていると、くたびれた品物はまるで
そいつの人生のくらーいのとか、いやーなのを引き連れてきたかのように
どんよりと惨めで、それでいて妙な存在感がある。
醜悪さの塊の様な気さえもする。
次から次へと欲しくなり、次から次へと要らなくなるのもよく分かる。
得てしてみんなそんなもんだろう。
それにそれを欲しがる人だってまだまだたくさん居る。
しかしおもしろいな、と思うのはたいてい皆が欲しがるものは同じだということだ。
機能性、デザイン、付加価値、希少性
それらを備えた人気者は、たくさんの人に愛されて、飽きられて
ながーい一生を色んな人と過ごすけれど
人気がないものは、一度中古品と化すとあっという間にその輝きを失って
誰の目にも映らなくなる。
たった1人の人間にその魅力を全てを捧げて燃え尽きてしまう。
まるで流れ星のようだ。
星が命を懸けて燃え尽きてしまう消える瞬間のその魅力はたぶん、
それを見た人にしか伝わらない。
既に尽きてしまったその素晴らしさは、哀しいほどに1人よがりで
他人と分かち合うには奇跡的な力が必要だとは思わないか。
そしてそれをひとつずつ、誰かに伝えていくことが
もう二度と戻らないような輝きを無理やりに塗りつけているようで
本当に、とても疲れるんだ。

センボンさんの言うことはとてもよく分かる。
お前んとこぐらいの店は死に物狂いでがんばれよってことなんだろう。
ただ、売れなかったときに引き取るぐらいの覚悟がなければ買うな。
それがうちの社風なもんでつまりはそういうことだ。
自分が欲しくないものは買わない。
母には悪いが私はエコな商売をしているつもりが全くもってない(大問題だ)
できるかぎり、手放すのが惜しいと思うくらいの気持ちで
物を動かしていきたいと考えてる。
それが正しいか間違っているかはよく分からん。
ポリシーの問題だとは思うけど
少なくとも地球に良いことをしているというようなスタンスではとてもやってけない。
再利用できるものなんてほんの一部。それを知ってるなら簡単にリユースなどとは叫べない。
どちらにしろ、まったく地球からしたら迷惑な話だ。
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by aoi-ozasa | 2007-12-08 01:55 | Daily life
2007.12.02 『アルカイック・スマイル』
金曜から生き方を変える
そう言えば大袈裟だ
私生活を変えるといったほうが正しいんじゃないか、
頭の中で正しさを主張する声が聴こえるが
生き方といったぐらいの胡散臭さとダイナミックさがなかなか嫌いじゃないのでこのままで
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 ▲写真は800円の花瓶とユニクロの毛布クッション

金曜日に来た付き合いの長い友達が
いろいろと知恵を授けてくれる。
私は女に生まれたことをこの上ない不幸だと思うと同時に
それを何よりも幸せだと信じれるというジレンマを抱えていて
いつもそのパラドックスに四苦八苦しながらも性の渦の中に居る。
片腕にショットガンを抱えながら、その顔面はファンデーションで塗りたくられているのと同じで、女で在り続けたいと思いながらも、それを忘れて何かに熱中していたいと思うようなものかもしれない。
それは男になりたいというのとは少し違っていて
性の壁を越えた何かでありたいと思うような願望に近い。
しまった、この言い方じゃあまるで仙人を目指しているかのようだが
とにかく数少ない私の言葉の引き出しではうまく伝えられないが
女の子扱いをされたいくせに、下心むきだしで接触されることにヒステリックになるようなのとは違うと言いたい。
ただ、今ひとつ自分でも理解不可能なこの面倒臭さは
ものすごく好きな男性のふとした仕草に、わーっとなってしまう時や
同性の友達と美容や恋愛の話をしている時のみ解放される。
女の子でよかったと、そう思える瞬間に満ち溢れているからだ

サプリメント、ケア、シェイプアップ、ダイエット
すべて美しい女性には必要不可欠なもの。
どれをするにも最低限の金はかかるが
「醜い女はいない。ただどうすればかわいく見えるかを知らない女はいる」
「人は女に生まれない、女になるのだ」
私を含めこういった名言にグッと心臓を掴まれる女性達は処女のように祈りを捧げることよりも先に、まずは薬局か百貨店に走ることだろう。
もちろん美しい女性の定義は外見だけではないのだけれど
どうも同性の友達と美容の話になるとこういうことに華が咲く。
そして私はそういうことに詳しい友人がとても好きだ。
なぜなら彼女たちは、女であることを何よりも楽しんでいる感じがする。
そしてそんな話に刺激を受ける私もまた、
蜃気楼の向こうに浮かぶ戦場が一瞬にして、薔薇のお花畑に変わるのだから
これは、もうたいしたもんだ。
しかし、この余韻は長くは続かない。
ガールズトークで華やいだピンク色の酸素は
日常の匂いにかき消されて、あっという間にその価値を見失う。
鏡の前で一心に化粧をする自分のすぐ後ろには
怠惰と言う誘惑がいつでも手招きしている。言い訳と言う名の参謀もいる。
いつだって生まれかわるぐらいの気持ちで挑まなければ
何回死んだって女性になんかなれそうもないってこった。

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先週、友人にしゃぶしゃぶに連れていってもらうんだ!と書いたが
じつはその日は私の一ヶ月以上前の誕生日を祝ってくれるつもりだったらしく
その後はしごしてヒルトンにあるバカラBarに連れて行ってもらった。
推定額1億円を超える黒い大きなシャンデリアに落ち着いた店内
入り口にはある時間帯になるとカードを持ったVIP客しか店内に入れないという
セキュリティーまで備え付けられている。
上からのライトアップに持ち上げるとコースターに六芒星の影ができるアルクールや
楽園に住む想像上の鳥を図案化したパターンのパルメなど
全てのドリンクはバカラ社のクリスタルグラスに注がれ
毎回違う雰囲気を楽しめる。
飲んだことのないような味の酒をご馳走になりながら(もちろん味は分からない)
ありふれた表現しか出来ないが、素敵な空間にいつもより少し酔いがまわるのが速い気がした。
とにかく素敵なお店で、次の機会は是非大切な友人たちを連れていってあげたいなと思う。
私なりの贅沢だ。
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最近は実家住まいなのに布団(主に触感の良い毛布)類を新調したり
あれやこれやと家具の配置を変えて、とても居心地の良い空間作りを楽しむ。
貧乏なので安いものしか買えないが、
ここでだいすきな漫画を読んだり、女をいそしんだり、魔法使いの絵を描いたり
アロマオイルを炊いてあたたかい紅茶を飲んだり、
友人とゆっくりお喋りをする生活はなにものにも変えがたい。

贅沢とは高価なものを持っていることではなくて、
贅沢な精神を持っていることである

私にこの意味がほんの少しでも理解できているならば
贅沢さとは誰かと共有することも可能だということだ。
私の目指す女性の美しさとは、自分然り、また誰かの目に自分がほんの少しでも
心地よく映ることへの願望であり
それに励む自分のこころは、限りなく贅沢なものなのかもしれない。
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by aoi-ozasa | 2007-12-03 02:47 | Daily life
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