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2009.07.01 『2009/6/23』
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滝のような雨はひとしきり窓を打ち付けたあと、
熱気をさらって空中に拡散していく。
それぞれの終わり方を模索するように、
またそこからの始め方を苦慮するように、
まだ少し残る湿気が、ざわざわと身体中を覆いつくしている。

気がつけば外の方はもう静かになって、
6月に似つかわしくない涼しげな風が舞い込んでくる。
酸素を共有するように、部屋中を満たしていく爽。
まだ外の世界を知らない息子をそっと優しく歓迎してくれるかのように
優しげなリズムでカーテンをゆらした。


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6月23日
兼ねての予定通りに、帝王切開手術にて息子がこの世に誕生しました。
2812g 元気な赤ちゃんです。

名前は エソラ-esora:絵空
もう随分前から、お腹に向かって呼んでいた名前だったので
まだへその緒で繋がった我が子を見た瞬間、
なんの違和感もなく、「絵空」という名前がからだいっぱいに溢れました。
顔は間違いなく主人似、ただ少しばかり不機嫌そうな面立ちは私似のような気がします。



手術をした経験のない私にとってはとっても恐怖だったこの手術。
下腹部の局部麻酔は、重く、意識のある分、
心にさらなる恐怖と不安をうちたてました。

麻酔が効いてきて、身体がしたの方からあたたかくなると
同時に上半身が追いたてられてゆくようにざわざわする、
その感覚は空中に浮いているように感じることができれば、
今まさに暗い海のそこで溺れかけているようにも感じられました。
麻酔の先生が私が目を見開いているので何度も大丈夫かと声をかけてくれました。

ひどく緊張していました。
我が子に会えることだけを考えました。

お腹の中を探られる感覚は忘れられません。
胎動とはまた違う感覚で、骨盤を拡げられるような鈍い動きがあって、
「赤ちゃんがでましたよ」
先生が首を持ち上げて裂いた腹から出たばかりの我が子を見せてくれました。

我が子の頭が見えた瞬間は感動よりもまず先に、驚きがありました。
おかしな話ですが、本当に人間の赤ちゃんが入っていたのだなぁと。


まだへその緒で繋がった赤ちゃんは羊水をまだ口に含んでいるために、
最初泣くことができませんでした。(それが普通だそうです)
私は腕をめいいっぱい伸ばしてその小さな頬に触れ、
頑張れと声をかけてやりました。

がんばれ、がんばれ。

ともすると、たちまち元気な産声が手術室にこだました。
渾身の力でめいいっぱい。
赤ちゃんの誕生を見届けた後は、母体を不安にならないために眠らせるそうで、
そのせいなのか薄れゆく意識の中で
あの声が、外で待ってくれている主人や母にも届いているかな、
と思いました。



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それから1週間。
下腹部の得体の知れないような痛みと戦って
身体は普通に過ごせる程度に回復し、昨日無事に退院して実家で過ごしております。

絵空は毎日少しずつ成長して、
大事な日に目覚まし時計を必要としないのと同じように
真夜中でも私は、彼が泣き出す前に目が覚めます。
ふしぎなもんです。


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まだまだ実家にお世話になりっぱなしですが、
これから家族二人三脚で、がんばってゆきたいと思います。

メールくれた皆、ありがとう!

これからもよろしくおねがいします。
by aoi-ozasa | 2009-07-01 21:59 | Daily life
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25歳なりました。日記は長いです。覚悟してください。
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